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電話恐怖症

電話。
私の嫌いな物の一つである。


電話の何が嫌いなのか、自分でいまいち把握しきれてはいないが、どうも駄目だ。

よっぽど急ぎの用事がない限り、自分からかけるということは無い。

また、電話がかかってきて、それに気付いているのに出ない事がしばしば・・・
いや、多い。
居留守を使う事が多すぎるのだ。

相手に悪いとは思っていても、本当に電話が嫌いなのでどうしようもない。

いい機会なので、ここで謝っておこう。
友人達よ、ごめんなさい。
知っている人もいるだろうが、私、居留守が多いです。


電話が嫌いな理由として、まず、相手の顔、姿が見えないのが辛い。

私の場合、自分の言いたい事を伝えるために用いる手段として
「身ぶり手ぶり」と「顔の表情」が主になる。

何も言わなくても、それだけで結構伝わっているようなので
喋るのが面倒臭い時はこれだ。

というか、いつも面倒臭い

外国人に駅のホームで話し掛けられて
「YES」
しか言えないこの私も、喋らずいつもの調子でいけばきっと伝わるのだ。

しかし、それ以前に英語が聞き取れない。

希望が儚く散った。


いい機会なので、ここで謝っておこう。
駅のホームで私に何か聞いて来た外国人のお姉さんごめんなさい。
何が何だかわからないまま「YES」と言ってしまいました。



とにかく、身ぶり手ぶり等、これらがまったく使用できない電話は、
私を異常に無言な人間にさせる。
だから、ほとんど伝わらないのだ。

携帯のCMで「伝わる」とか言っていても、ここに全然伝わっていない人間がいるのだ。




電話が嫌いな理由、まだある。
電話が怖い。
よく言われる''幼い頃のトラウマ''というやつだろうか。


小さい頃、兄が「時報」を私に教えようとした。
電話で「117」とかけるやつだ。

兄は受話器を私に渡し
「聞いてみ?」

うん、と頷いて恐る恐る受話器を耳にあてた私。

ば、爆弾だ!!!!

幼い私はそう直感した。


時限爆弾が電話の向こうで爆発までの時を着々と刻んでいる。
いや、もしかしたら、この電話器自体が爆弾かもしれない。
あぁ、どうしよう。
爆発してしまう。
そして、死んでしまう。
そう、これは正に死の宣告。
早くこの恐ろしい死の宣告から逃れなければ。


幼き私の頭はフル回転だ。


その結果とった行動は、
 大泣きして兄に無理矢理受話器を渡す
というものだった。

何の解決にもなっていない。
これでは兄が死んでしまうではないか。


今考えると、多分「爆弾」という発想は、
当時よく見ていた「あぶない刑事」が原因なのかもしれない、
と、ふと思った。

「あぶデカ(略)」では、
爆弾が爆発する直前に爆弾がデカ(誰?)の手によって彼方へ投げられ、
投げられたにもかかわらず一秒前とかに爆弾が止まるのだ。


『電話を投げる』の選択肢は、この私にはなかった。

貧乏性なのだ。




あと、小学四年の頃、家に変な電話(いわゆる変態電話であろう)がかかって来た。

家が自営業で、なおかつ両親は現場仕事。

独り家にいる私に課せられた使命は留守番全般だった。
つまり、電話番もだ。


ある昼下がり、例の変態電話がかかってきた。

変「おかあさん、いる?」
私「いません」
変「お嬢ちゃん、何歳?」
私「小学校の四年生です」

微妙に相手の質問にまともに答えていない私だった。

不振な男との会話の途中で、
「電話がかかってきたら、相手の名前をちゃんと聞いておけ」
と日頃親から言われていたことを思い出した。


私「どちらさまですか?(唐突に)」

変「山本です」


即答だった。


その後、山本さんは何事もなかったように変態トークを繰り広げた。
私は「はぃ・・・はぁ、そうですか」と気の利かない返事で対応するしかなかった。

そして、帰って来た親達に「山本さんから電話があった」と、ちゃんと伝えた。
親には「誰それ」と言われた。

それはこっちが聞きたい




色々理由はある様だが、何はともあれ、電話が嫌いだ。

でも本当は電話で楽しそうに話せる輩が、少しうらやましいのだ。

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